スペシャルインタビュー/休日課長さん②
Future vol.15に掲載
川谷には最初嫌われていた(笑)
「ゲスの極み乙女」は、大学の後輩だった川谷絵音さんに誘われたんですよね。
彼はめちゃくちゃすごい才能ですね。僕なんかが説明していいのかと思うくらい。表現しきれない。
まず、アウトプットのスピードが速い。僕のベースのフレーズも、川谷に触発されています。
奇想天外なオーダーが出てきたりもして、「これ弾けるのか?」なんて思いながらどうにか形にするなんてこともありますね。
料理の本を出しましたけど、これも川谷の影響が大きいですね。
学生時代に川谷が部屋に遊びに来てくれた時に、カレーを作ったんですよ。
味にうるさい彼が「これ、うまいっすね」ってシンプルにほめてくれて、それから他の人にも振る舞うようになりました。
カレー作りが趣味になって、それを就活でもアピールしました。
カレー作りをどう計画的にやったかを面接官に説明すると、意外に食いつきがいいんですよ。
川谷がいなかったら全く違う人生でした。
学生時代から仲が良かったんですね
全然ですね。カレーをごちそうしたのは大学院の頃なのですが、大学時代は嫌われていたみたいです。
軽音部の中で僕は明るく騒ぐタイプのやつだったんですよ。
僕もよく思われていないのを察して川谷を避けていましたね。
だけど彼が「indigo la End」に僕をサポートで呼んでくれたんです。
当時、僕がコピーではなく、オリジナルバンドをやっていたのが気になったんだと思いますが、音楽やるために性格の合わない人間に声をかける熱量はやっぱりすごいですよね。そこから距離が縮まりました。
この出会いは大きいですね。気が合わなかったはずなのに、今ではしょっちゅう一緒にいる。ご飯もよく一緒にいきますね。
そのことから学んだんですが、「性格が合わなそうだな」という何となくの第一印象だけで決めてしまうと良くないですよね。
私の感覚だと食における「珍味」に似てる。
カラスミが昔嫌いだったんですけど、いきなりある日好きになってから今じゃ大好物で。食も人間関係も、味わい方を自分なりに見つけると人生楽しくなります。
ゲスの極み乙女は結成10周年を迎えました。
長いようで、短いようで。10年前の自分が今の自分を想像していたかというと、全く想像していません。
この先10年どころか1週間先も分からない状況です(笑)。
でもずっとライブはやっていたい。ライブが与えてくれる刺激と幸福感は何にも代え難いですからね。
改めて高校生へのメッセージを
好きな事を貪欲に見つける日々にしてほしいなと思います。
見つかったら追求するもよし、飽きちゃったら次を探すもよし。心の底から楽しんだ経験は必ず人生を面白くするので。
無理せず楽しめちゃってる自分を分析すると、自分の”強み”なんかも見えてきて、進路を考える時に判断材料になったりもする。
全力で楽しんだ分だけ、あなたの魅力になります。どうか毎日、最大限楽しんでください。
休日課長
ベーシスト
きゅうじつかちょう/1987年2月20日生まれ、埼玉県出身。
「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」4つのバンドを中心に活動している。”食”関係の活動も行なっており、2020年に著書「ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん」(マガジンハウス)を出版、21年に同書が原案本としてドラマ化された。
eninaranaiotokoInstagram@kyujitsu_kacho
※掲載内容とプロフィール情報は
Future vol.15(2022.12.5)時点のものです。