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こころの相談室VOL.4

富山県で臨床心理士(こころの専門家)をしている深澤です。
futureの質問コーナーの回答をしています。
私自身が思春期のとき、学校のこと、人間関係のこと、恋愛のこと、家族のことなど、
悩んだ経験が大人になってから役に立っていることがたくさんあります。
悩むことは人間を成長させる力を持っています。
臨床心理士として「こころ」の視点から、皆さんの悩みごとについて、回答しようと思います。

スマホから離れたいけれど・・・

Q そろそろ受験勉強に本腰を入れたいのですが、ついついLINEの通知やTwitterの投稿が気になります。
知り合いの中にはスマホをガムテープでガチガチに縛って親の金庫に入れた人がいますが、
友達や親との連絡の必要もあります。
辞書のアプリも入れていますし、そこまではできません。どうしたらいいですか。

依存しないため、どんな工夫があるか自分で考えよう

今日「スマホとの上手な付き合い方」というテーマで中学生に講演をしてきました。
そのタイミングでこの相談が私の手元に来たことは少し運命を感じました。
私もLINE、SNS、ニュース、お気に入りの動画などが気になってしまい、
ついついスマホを見てしまうことがよくあります。

スマホを使っていて感じることは、
「とても便利です」
「とても楽しいです」
「嫌なことを一時的に避けることができます」

私にとって、生きていくうえで欠かせない道具です。
これは私だけではなくて、現代社会を生きている全ての人がそのように感じるのでしょう。

しかし、スマホを依存的に使用すると
・感情をコントロールできなくなる
・自己中心的な考えに傾く
・イライラしやすくなる
・睡眠時間を削ってスマホを使うので睡眠時間が短くなる
・思考力が低下する
・成績が落ちる
など私たちの生活に大きな悪影響を与えます。

ガムテープの例は初めて聞きましたが、スマホとどのように付き合うかについて、
悩んでいる子どもたちや保護者の相談は年々増加しています。

負けず嫌いだったり(オンラインゲームを勝つまでやる)、日常生活に充実感を感じることができなかったり(現実から逃避するため)、
家族との関係が希薄だったりする(寂しさを紛らわすため)とスマホに依存しやすいことが指摘されています。

スマホを依存的に使用している中高生が、私とのカウンセリングを進めていく中で、
色々な工夫を身に付けていきます。
・タイマーを使って時間コントロールする。
・時間を決めてWi-Fiを繋がらないようにする。
・意識的にスマホを家に置いて出かける日や時間を作る。
・スマホ以外に人との交流などの楽しい時間を作る。
・スマホ以外に集中できる時間を見つける。
などです。

ちなみに、私の工夫は、
・スーパー銭湯で過ごすためにスマホを自宅に置いておく。
・できるだけ、家族と同じこと(料理、工作、散歩、買い物、お出かけ)をして生活を充実させる。
などです。

最初は、スマホが手元に無いことに不安を感じますが、1週間も経てば慣れてきます。

今回のご質問については、「受験勉強もあるからLINEやTwitterはあまり使わないようにすることにした」
と友達に宣言してみてもよいと思います。
辞書はスマホの辞書ではなくて、分厚い本の辞書にも変えることもできます。
カウンセリングをしていて思うのは、多くの人が「あれもこれもできない」だから「何も変わらないです」と言われます。
しかし、「できない中でもどんなことならできる可能性があるのか」を探していくことが大切です。
それが、生きる力であると私は思います。

「スマホは楽しむために使うものです」
「スマホは苦しむために使うものではありません」
「楽しむこと」より「苦しむこと」が多くなっている場合
それは「スマホ依存」の入り口に立っています。

スマホを楽しむためには、「好きなように使う」「全く使わない」という0-100(ゼロヒャク)思考ではなくて、
どのようにスマホと仲良くなるかが重要です。
みなさんは、どのような工夫ができるでしょうか。
そして、家族でのルールがある家庭と無い家庭では、ネットに依存するリスクが上がります。
そのことも含めて、ぜひ、家族との話題にしてみてください。

過去の相談はこちら

こころの相談室vol.1

こころの相談室vol.2

こころの相談室vol.3

2022.07.15 スペシャル

深澤 大地

富山県こどもこころの相談室 代表(臨床心理士)

長野県生まれ。関東の公的機関で教育相談員やスクールカウンセラーとして勤務。平成21年に富山県総合教育センター客員研究主事として招聘。平成29年に子ども専門の心理相談室「富山県こどもこころの相談室」を開設。
現在は、子どもに限定せずに未就学児~成人のカウンセリングを行っている。また、講演会、新聞の連載エッセイの執筆、雑誌への記事の掲載、メディアへの出演など、臨床心理士として県内外で活躍中。

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