スペシャルインタビュー
岡崎体育さん①
Future vol.12に掲載

メジャーデビュー５周年を迎えた岡崎体育さん。
ジャンルを超える幅広い音楽性と､ユーモアあふれる歌詞が相変わらず魅力的だ。
音楽活動にも､生活にもお金は欠かせないもの。
独特の感性は「お金」をどう捉えているのだろう。

Q　体育さんが富山と聞いて思い浮かべるものは何ですか。

富山というと､ダムとブラックラーメンですね。
2年前くらいから「さあ､あちこちライブに行くぞ」って思っていたんですけど､コロナで出鼻をくじかれましたね。
この状況が収まったらぜひ､富山にも行きたいです。

Q　どんな高校生だったんですか。

勤勉です。勉強は好きでした。部活はテニス部で熱心にやっていました。
もちろん音楽も好き。当時はイキって洋楽ばっかり聴いていました。
今思えばもっとJポップを聞いておけばよかったと思うことがあります。

Q　今回の特集はお金がテーマなんですが、体育さんが一番お金を使うものってなんですか。

僕､全然お金を使わないんですよ。あえて挙げるなら家賃です。家賃以上にお金を使っているものあるかなあ。
いや､ないなあ。外食したのもこの1年間で2回くらい。コロナじゃなくてもそうだったと思います。
自分の持ち物にならないものに､ずっとお金を払うことに抵抗があるんですよね。
家賃を払うのも嫌で､早く自分の家を買いたい。

Q　大学卒業後､一般企業に就職してすぐに辞めているそうですね。
　　生活の安定を思えば､かなり思い切った決断ですね。

周りに流され､疑問を感じながらも普通に就職活動してサラリーマンになりました。
音楽をやりたいという気持ちもボヤッとしていたんです。
でも採用してもらった会社には申し訳ないけど､やりたくない仕事を40年近くもやるのは嫌だった。
「貧乏になっても､野垂れ死んでもいいから音楽やらないとアカン」って入社半年で辞めました。
「何をしたら幸せか」と考えたら音楽しかなかった。
もちろん怖かったですよ。怖いんだけど､曲を作るのも､それを聞いてもらうのもやっぱり好きなんですよ。
少なくとも僕はできないことを伸ばすより､得意なことを伸ばす方が向いていました。

Q　しばらく一人暮らしをしないで､実家暮らしだったそうですね。

上京するメリットが今はそんなにない時代ですよね。
東京のクソ高い部屋で1人で生活するよりも､実家の慣れた環境で音楽作った方が効率はいい。
「メジャーデビュー＝東京」というのはもう古い。地方を拠点にして成功している先人もいる。
実家にいることがうしろめたいという風潮がおかしいですね。
今はテレビのレギュラー番組があるから東京で一人暮らししていますけどね。

Q　ファンクラブに「財布」を意味する「Wallets」という名前を付けています。
　　ちょっと生々しいですね。

レコード会社から「ファンクラブをつくろう」という提案があった時､
アイドルでもないから「岡崎体育にファンクラブ？(笑)」ってビミョーだったんですよ。
だからギャグみたいな感じで「財布」という名前にしちゃった。要するに後ろめたさというか､照れ隠しですね。

Q　グッズを買ったり､SNSで情報を発信したりするとポイントがもらえて､
その獲得ポイントによって特典が得られるというポイント制のファンクラブシステムを採用しました。

これがネットで紹介されると､「ファンに優劣を付けるのか」と受け止められて炎上しました。
僕らの伝え方が悪かったんでしょうね。文言にはかなり注意していたんですが､ニュースの出し方がうまくいかなかった。
使った金額だけでランク付けされるような印象になっちゃった。
同じ文章でもメディアの切り取り方次第では伝わり方が違いますからね。
それにSNSは拡大解釈されやすい。結果的にはファンの方々に悲しい思いをさせてしまいました。

インタビュー2はコチラから