富山にこんなお仕事
新聞記者(吉田 野乃花さん)
自分だから書けることは
思い起こせば、10代の頃からカメラを携えて富山を取材していた。
富山高専生だった頃、富山の面白いスポットを紹介するフリーペーパーを作った。
名古屋大で社会学を学んでいた時は、「イミズスタン」という愛称で呼ばれる射水市を取材。
いくつものパキスタンカレー店が市内にできた経緯を調べ、卒業論文に仕立てた。
「学生の時はカメラが趣味だったけど、記者になってからは『休日にカメラは勘弁して』って思っちゃいます」。
冗談めかす一方で、休日には、取材のテーマに関係する専門書を何冊も図書館で借りて読み込んでいる。
「自分だから書けることは何だろうと模索中です」と話す。
就職活動で「記者志望です」とは言ったものの、強いこだわりがあるわけではなかった。
「新聞社って実は地域のイベントにたくさん関わっている。だから、富山を元気にするような仕事なら何でもやってみかった」
富山への関心が強くなったのは、高専生の頃に1年間カナダに留学したことがきっかけだ。
「カナダで出会った人たちは地元に詳しいし、誇りに思っているのに、私は富山や日本のことを聞かれてもちゃんと答えられなかった」。
帰国後に富山を取材するフリーペーパーを作ったのは、その反省からだ。
新聞記者になって2年目。現在は教育分野を担当する。
学校再編やコロナ禍における授業、大学の研究などテーマは多岐にわたる。そしていじめ問題も取材する。
どこに相談しても相手にされなかったという、いじめ被害者や保護者が最後に頼ってくれたのが報道機関だった。
「いじめは心身が追い詰められる。教育は命にかかわる取材テーマだと実感しました」とやりがいを語る。
私の愛用品
■シザーバッグ
シザーバッグは美容師が使う小さなショルダーバッグ。
そこに会社用とプライベート用のスマートフォンやペン、名刺入れなどを入れて身に着ける。「私はモノをよくなくすので、まとめて管理しています」
※掲載内容はFuture 2023[進学・オシゴト版]
(2023.3.3時点のものです。)