こころの相談室VOL.1
富山県で臨床心理士(こころの専門家)をしている深澤です。
今月からfutureの質問コーナーの回答をすることになりました。
私自身が思春期のとき、学校のこと、人間関係のこと、恋愛のこと、家族のことなど、
悩んだ経験が大人になってから役に立っていることがたくさんあります。
悩むことは人間を成長させる力を持っています。
臨床心理士として「こころ」の視点から、皆さんの悩みごとについて、回答しようと思います。
Q 親の思い通りの大学に行くべき?
行きたい大学の学部があるのですが、親が認めてくれません。
金銭的な事情もあるのはわかります。
でも、親がやらせたいことを自分にさせてようとしている部分もあります。
親の思うような大学に行ったとして、自分は楽しい学生生活を過ごせるものなのでしょうか。
A まずは親と丁寧に話してみよう
まず、親が認めてくれない理由は何なのかということです。
金銭的な面だけなのか、(もしかしたら)実家から離れて暮らすことになるからなのか、
その大学の学部で就職先があるのかということなど色々な可能性が考えられますね。
まず、親が認めてくれない理由について、
そして、あなたが希望する大学の学部に行きたい理由について、
冷静にそして丁寧に親子でコミュニケーションを取ろうとしてみることが大切だと思いました。
もし、顔を見て話をすると、ケンカになってしまいそうな場合は、
手紙やLINEでやりとりをしてもよいかもしれません。
「親の思うような大学に行ったとして、楽しい学生生活を送れるのか」ということですが、
あなたはどのようなことを目的に大学に行きたいと思っていますか。
基本的には自分がやりたいことをやることの方が、
生活が充実する可能性は高まるのではないかと思います。
しかし、大学に入ったあと、「自分が思っていたことと違う」と感じて、
大学を中退する人や仕事を退職する人もたくさんいます。
このようなことを意識して、親の思いや、あなたの思いを考えてみるきっかけにしたらよいと思います。
そして、どうしてもその大学に行きたいけれど、親が援助してくれない場合、
「奨学金制度」を利用して進学をしている人が世の中にはたくさんいます
(私も利用させていただき、最近、返済が終わりました)。
そのようなことも調べてみることをお勧めします。
深澤 大地
富山県こどもこころの相談室 代表(臨床心理士)
長野県生まれ。関東の公的機関で教育相談員やスクールカウンセラーとして勤務。平成21年に富山県総合教育センター客員研究主事として招聘。平成29年に子ども専門の心理相談室「富山県こどもこころの相談室」を開設。
現在は、子どもに限定せずに未就学児~成人のカウンセリングを行っている。また、講演会、新聞の連載エッセイの執筆、雑誌への記事の掲載、メディアへの出演など、臨床心理士として県内外で活躍中。