富山にこんなお仕事
水族館飼育員(大原 望さん)
お客さんと話すのが大好き
ブリやペンギン、アザラシ、カメレオン…。
さまざまな大きさの水槽で、海や川の生き物たちが展示されている。
生き生きと暮らせるように餌やりや、水槽の小まめな掃除はもちろん、解説パネルの作成やイベントの準備といった幅広い仕事をこなす。
富山湾で珍しい魚が水揚げされれば引き取りに向かい、「自分でも『こんな仕事をもやるんや』と驚きながら働いています」と笑みをこぼす。
小学校6年生の修学旅行で、広島県の水族館で見た光景に猛烈に引かれた。
「たくさん泳ぐ魚に感動したし、ダイバーが水槽を掃除しているのがかっこよかった」と振り返る。
生き物が大好きで水泳も得意。飼育員への憧れが生まれた瞬間だった。
高校卒業後は飼育員やトリマーを養成する学校に進んだ。
イルカやペンギンをはじめとした海獣類や海水魚の飼育方法や種類を学び、イルカショーを想定したナレーションの授業にも取り組んだ。
水族館の飼育員に必要な国家資格の潜水士の免許は在学中に取った。
愛媛県出身だが、夢がかなうなら全国どこでも働くと決めていた。
魚の飼育に集中でき、来館者と気軽に触れ合える環境を希望し、条件にぴったり合ったのが魚津水族館だった。
1913年の創立で国内に残る水族館で最も古い。
「こぢんまりとした施設なので、お客さんが気軽に話しかけてくれるのが何よりうれしい。
自分で考えて動くので飼育員の裁量が大きいのも他にはない特徴です」と語る。
いまはミズクラゲとウミガメの飼育を担当し、元気に育つ姿にやりがいを感じている。
目玉の展示「富山湾大水槽」で水中に潜って餌を与えていると、
水族館に感動したかつての自分のように子どもが目を輝かせて見守っていることもある。
そんなひとときに働く喜びが満ちあふれてくる。
私の愛用品
■ミズクラゲの赤ちゃんを移動させる道具
バックヤードでミズクラゲを繁殖させており、赤ちゃんクラゲの個体の大きさに応じてお玉とれんげ、スポイトを使い分ける。スポイトは職場の片隅で発見し、「使える!」と目を見開いた。
※掲載内容はFuture 2022[進学・オシゴト版]
(2022.2.25時点のものです。)