スペシャルインタビュー
彩雪さん

女優､モデル､フォトグラファーと幅広い活動をする入善町出身の彩雪(あやせ)さん。
SNSでも活躍し､Instagramのフォロワー数は30万人を超える。元高校教諭という経歴も持つ。
砺波で撮影した映画の公開を控え､今後の意気込みを語った。

Instagramのフォロワー数が30万人ってすごいですね。
もともとSNSは苦手だったんです。投稿しないで見る専門。
でも､このお仕事をするのならたくさんの方に作品を見ていただきたい､という思いが原動力になっています。
今､私が関わっている作品がたくさんの人に届いたり､心を動かしたりする可能性につながればと思っています。
アルゴリズムや流行が変わりやすいのでどんなのが今受けるのかなっていうのは研究していますよ。

富山にはよく帰省するんですか。
私､リラックスがめちゃくちゃ苦手なんですよ。いつも頭の中で何か考えている。
でも､富山に帰るとちょっとだけリラックスできますね。家族や友達と会うと頑張ろうって思えます。

今回の特集テーマは「普通」です。彩雪さんは富山で10代を過ごしましたが､普通の高校生だったんですか。
普通かどうかは分からないのですが､勉強と部活にとにかく打ち込んだ学生時代でした。
朝4時に起きて1時間勉強して､ご飯食べて､電車の中で勉強して､そして朝練。
授業が終わったら､すぐ部活。帰りの電車の中でも､もちろん勉強です。
家に帰ったら晩ご飯を食べて､お風呂に入って､また午後11時まで勉強して睡眠。そんな毎日でした。

すごい。普通の高校生なら勉強か部活かのどっちかに偏りそう。
勉強も部活もどっちも妥協せずにやりたかったんです。周りに置いていかれないように効率重視で頑張っていました。
得意科目は数学です。答えがはっきりしてるのが好きでした。

彩雪さんは､高校教諭を経て､女優・モデル､フォトグラファーになるという普通じゃない人生を歩んでいます。
高校生当時はどんな将来を思い描いていたんですか。
教師ですね。
親が教師だったのもあるけれど､得意な数学もバスケも両方使える仕事って何かなって思っていたら､教師になれば一石二鳥だなって。

どうして教師から次の道に行こうとしたんですか。
生徒たちに感化されたんです。進路の相談に乗ったり､おしゃべりをしたりしていたら､みんな夢をいろいろ持っているんですよ。
そうするうちに「自分も」って思ってしまった。
大学時代にカメラに触れる機会があったので､フォトグラファーへの憧れがずっとあったんです。
私､小さい頃から表現することに実は関心があったんですよ。文章を書くのも､絵を書くのも好きで。その気持ちがよみがえった。
教師という仕事も魅力的だったんですけど､生徒の夢に触れたらカメラに挑戦してみたくなった。
再就職先も決まっていないのに退職を決断して上京しました(笑)。
仕事がなくてつらい時期もあったんですが､生徒たちの顔を思い出して頑張りました。
その後､動画制作の会社で就職して､撮影の仕事に携わりました。
仕事をする中でスカウトされて､今のような形でモデル､女優､フォトグラファーとして活動してます。
運と縁に恵まれて､やりたいことに挑戦しているうちに仕事の幅が広がっていったという形です。

今は演じる仕事に重点を置いていますね。
演技は小さい頃から好きだったんだと思います。映画やドラマを見てはまねしていましたから。教師の仕事を辞め､フォトグラファーやモデルとして経験を積み重ねる中で､自分を表現したいという気持ちがさらに強くなったんだと思います。
舞台出演の機会を頂いたことは大きなきっかけになりました。「やりたいのはこっちだ」って気付くことができましたから。
そこからはかなり演技のレッスンに力を入れています。

こんな役してみたいとかはありますか。
教師役をやってみたいですね(笑)。
自分が過去にやったというだけではなく､たくさんの先生のやり方も見ていますから。
あと､アンジェリーナ・ジョリーさんのようなアクション映画にも挑戦したい。

日本とトルコの国交樹立100周年を記念し､トルコ・ヤロバ市の姉妹都市である砺波市を舞台にした映画「Ondansonra」のメインキャストを務めています。
人間不信だった女の子が富山で多様な人と出会って､打ち解けて変わっていくというストーリーですね。
私は金髪にも挑戦しました。意外に似合っているのではないかと思っています(笑)。
7月にはトルコで撮影するので楽しみにしています。

高校生にメッセージを。
私はあまり普通とは言えないキャリアを歩んでいますが､それはいろいろな人と出会って､いろいろな場所に行って変わってきたからだと思うんです。目標や夢って形が決まったものではなくて､人生の中で変わっていくもの。
そうやって本当に自分がやりたいことに近づいていくんだって思います。
皆さんも自分の心の声をちゃんと聞いて､周りではなく､自分を軸に生きてほしいな。