富山にこんなお仕事
アスレティックトレーナー(横川 卓也さん)
モテるトレーナーは裏方中の裏方
「トレーナーはモテる人でなきゃ」。大学院時代の先輩の言葉だ。
トレーナーは選手の体調管理や練習計画の組み立て、けがの時の応急処置などあらゆる面でサポートする。
だから、日々のコミュニケーションを通じて信頼を得ることは大前提。
悩みや考えを引き出すヒアリング力、髪型や服装など細かな変化に気付く気配りも求められる。「モテ」に求められるスキルだ。
ただ、あくまで主役は選手であり、トレーナーは注目を浴びにくい裏方の仕事。
「監督・コーチは“将棋を指す人”、僕らトレーナーはその駒を“準備する人”。選手が良い状態でプレーできるように導いてあげることが大事」
体育の教員を目指して中京大へ進学した。高校まで野球をしていたが、選手として続ける自信がなかった。でも、野球は好きだった。
「マネージャーでもいいから」と野球部に入部した。そこで先輩からトレーナーの役割を勧められた。
2年時にチームは愛知リーグ1部優勝を経験。自身が貢献したチームが結果を残したことで手応えを感じた。
「これを職業にしたい」と思うようになった。
トレーナーとしての視野を広げるため、4年時以降は男子ハンドボール部で経験を積んだ。
筑波大男子ハンド部でヘッドコーチを務めていた福田丈(現アランマーレヘッドコーチ)に誘われて一昨年にチーム入り。
技術はあっても当たり負けしていたチームでフィジカルの強化に取り組み、チームは昨シーズン、初のプレーオフ進出を果たした。
自分の指導が正しいのか不安もあったというが、「勝つことで評価される世界。結果が出たことで自信にもつながった」と笑みをこぼす。
トレーナーとしての知識や経験を糧に、ゆくゆくは大学の教員になることを目指している。「教える」という部分では教員と似ている。
「トレーナーだろうと、大学教員だろうと、相手の人生を後押ししたい」
私の愛用品
■テーピング&はさみ
選手のけがの予防や手当てにおける必需品で、材質や堅さなど選手の好みにあったものがそろう。
選手を傷つけないよう、はさみは先が丸まった医療用のものを愛用している。
※掲載内容はFuture 2024[進学・オシゴト版]
(2024.3.7時点のものです。)