富山にこんなお仕事
公衆衛生獣医師(御手洗 翼さん)
「ペットのお医者さん」だけじゃない
獣医師といえば「ペットのお医者さん」を想像する人は多いだろう。
でも、食品の安全確保や家畜の伝染病防止など、消費者の安全な暮らしを支えることも重要な役割となる。
狂犬病など動物由来の感染症防止や動物愛護・適正飼養の普及啓発も担うなど仕事はわんさかある。
「一見自分に直接関係ないことでも仕事につながる。日々勉強の毎日です」
父が一般的に想像される獣医師だったこともあって幼いころから憧れた。
大学の授業を通じて獣医師の仕事が動物のケアだけではないと知った。
環境衛生の観点でより人々の健康に貢献できる部分に強く惹かれた。
大学では夜通し研究室で論文のための実験をすることもあり忙しい毎日だったが、授業への出席は欠かさなかった。
内容はその場で全部覚える心づもりで日々コツコツと勉強し、獣医師国家試験に合格。
大学の説明会で1番最初に声をかけてもらった富山県庁に入庁後は、厚生センターなどで飲食店の衛生管理や動物愛護の啓発イベントの企画などに取り組んだ。
現在所属する食肉検査所では、獣医師しかなれないと畜検査員を務める。
県内で食肉として生産された全ての豚や牛に異常がないかと畜検査を行い、流通できるかどうか見極めている。
異常があれば精密検査を行い、病原菌の有無や血液の異常などを調べる。
工場形態でレーンから流れてくる肉や内臓を目視で一つ一つ確認していくという一見地味な流れ作業だが、異常があるものを見逃せば市場に流通して消費者に危険が及ぶ可能性がある。豊富な知識と集中力が求められる責任重大な仕事だ。
「スーパーに行けば自分が検査した肉が並んでいる。多くの人の幸せを守っているんです」と胸を張る。
私の愛用品
■タンブラー
毎朝職場に来たら必ずコーヒーを飲んでからと畜検査に行くのがルーティン。
コーヒーを飲むと「よし、じゃあ検査行くか」とスイッチが入るという。
5年以上愛用し続けている。
※掲載内容はFuture 2024[進学・オシゴト版]
(2024.3.7時点のものです。)