ユニークな部活動集合!
複数の人たちが集まるからこそ、その瞬間だけの輝きを放つ部活動。
それぞれの高校にはユニークな部活動があります。
Future編集部がその魅力の一部を紹介します。
呉羽高校/管弦楽部
放課後になると、バイオリンやクラリネットの音色がにぎやかに響く。分厚いハーモニーにはオーケストラでしか表現できない魅力がある。
呉羽高校の部活動の中でも管弦楽部の部員数は最も多い。3年生が引退した今でも1、2年生だけで60人近い。最大のイベントである夏のコンサートではストイックにもクラシックだけを演奏する。部長で打楽器を担当する山村一葉さん(2年)は去年、ゲネプロ(最終リハーサル)の段階で感極まって泣いた。それほど熱い思いを胸に立つステージだ。
意外にも小さい頃から英才教育を受けた生徒ばかりが所属しているわけではない。中学校まで運動部だったり、音楽教室に通った経験が全くなかったりする人も珍しくない。山村さんは「先輩たちの演奏に憧れて始める人が多いんですよ」と言う。今のメンバーの演奏を聴いて、きっと来年も新しい個性が加わる。
石動高校/ホッケー部
ユニフォームの胸元にあるエンブレムに、星マークがみっしり集まっている。
石動高校ホッケー部の女子主将、松井杏さん(3年)が「優勝した数だけ星が付いています」と教えてくれた。インターハイや国民体育大会、全国高校選抜大会で、女子は計17回、男子は計12回優勝している。共に全国屈指の強豪だ。
県内でホッケー部がある高校は、男子は他に富山高校だけ。女子は石動高校が唯一だ。「ホッケーって言うと、アイスホッケーだと思われる時がある」と男子主将の藤永一空さん(2年)は苦笑いする。芝の上でプレーするフィールドホッケーの認知度はまだまだ低い。
メジャーな競技をプレーする高校生にはなかなか得られないメリットがある。「全国に友達ができること!」と2人。「練習試合は県外が当たり前。私は北海道から島根県まで友達がいます」と松井さん。高校生ですでに人脈が全国規模なんてかっこいい!
南砺平高校/郷土芸能部
唄や太鼓などを担う地方と踊り手が息をそろえる。五箇山地域に伝わる民謡「こきりこ」や「五箇山追分」は心に染み入る。南砺平高校郷土芸能部は全校生徒の半数近くに当たる34人が所属し、全国高総文祭で3年連続入賞している強豪の部だ。
「麦屋節」の踊り手を務める副部長の塚田健太郎さん(2年)は「平高校でしかできないことだと思って入りました」と話す。五箇山地域出身でなくても、高校から始める人は少なくない。最初はどう踊るか分からない部員もいるが、練習すれば何とか形にはなる。塚田さんも2年生になってはかま姿が様になった。
部長の長谷英里子さん(同)は「地域の方から指導を受けていて地元から応援されていると感じています」と背筋をぴんと伸ばす。全国高総文祭では日本一である最優秀賞を目指しているが、ことしは果たせなかった。成績が全てではない。見る人を感動させるため、演奏と踊りを磨き続ける。