富山にこんなお仕事
デザイナー(成田 有希さん)
盛りすぎないデザイン
コンビニや書店に行くと、少しそわそわする。デザインを担当する月刊誌が棚に並んでいるからだ。
「自分が作ったものが世の中に流通しているのを見るとワクワクしますね」と話す。
雑誌の特集ページを組んだり、挿絵を描いたりするほか、企業や自治体などの広告にも携わる。
デザインする際に大切にするのは”盛りすぎない“こと。
「商品をきれいに表現しすぎたら、嘘っぽくなる。
デザインだけ一人歩きさせて、見る人をがっかりさせない表現を目指したいです」と話す。
中学生の頃、いわゆる「5教科」に苦手意識があった。しかし、絵は得意だった。
「描くことなら頑張れる」と、県内外で活躍するデザイナーを輩出している富山北部高校の
商業デザイン科(現情報デザイン科)に入った。それが運命を変えた。デザインは課題解決だ。
問題を把握し、思い付いたアイデアを基に筋道を立てて考え、必要とされる視覚表現を生み出す。
「自分でも面白いと思えるものを考えるのが楽しかった」と振り返る。
名古屋の短大でデザインを学んだ。生活費を稼ぐためのアルバイトと、課題制作で忙しい日々を送った。
ちょうど不況の時期に差し掛かっていたことから、就職が決まったのは短大卒業後だった。
折り込みチラシを制作する会社を経て、「発想を生かせる仕事がしたい」と現在の会社に移った。
最初は先輩社員をサポートする仕事が多かったが、最近はゼロから任せてもらえる。
「お客さんからいいものができたと言われるとホッとします」と笑顔を見せる。
今は雑誌や名刺、ポスターのような平面をデザインする仕事が中心だが、腕を磨いてプロダクトデザインをするのが夢だ。
私の愛用品
■ファイル
自分の気になった印刷物を入れている。
大好きなヘンリーダーガーの絵や、美術展のチケット、映画のチラシなどのほか、宮沢賢治の小説も収めている。
※掲載内容はFuture 2023[進学・オシゴト版]
(2023.3.3時点のものです。)