富山にこんなお仕事
気象キャスター(芦沢 涼さん)
乃木坂に後押しされた
富山の天気は難しい。風向き次第で平野部の積雪の状況がガラリと変わってしまう。
富山市内はそれほどでも、高岡市内はどっさりと降ることも。
「イレギュラーなことが多い。天気予報の難しさを感じます」
気象キャスターはニュース番組で空模様や天気のメカニズムを分かりやすく伝える。
富山で仕事に就いて、初めて経験した冬。至る所で交通が麻痺する記録的な豪雪に直面し、身を引き締めた。
「自分が出演する映像を見返すと表現が甘かった。僕の言葉一つで行動を変える人がいたかもしれない。
いかに多くの人に災害時の危機感を意識してもらうか。それが僕の役割だと思いました」。
以来、言い回しや「間」について真剣に考えるようになった。
高校の地学の授業で災害の恐ろしさを知った。被害をどう防ぐか。
思い付いたのが気象キャスターの仕事だった。気象キャスターの仕事に気象予報士の資格は必須。
実は高校卒業後すぐに資格の参考書を開いて諦めたことがある。あまりにも難解な内容に自信を失った。
しかし、ある時、大ファンの「乃木坂46」の東京ドーム公演を観て「あの子たちも頑張っている」ともう一度勉強に挑戦した。
そして合格率4%という狭き門を突破。オーディションを経て、2020年からNHK富山放送局の番組に出演している。
仕事柄、休日であっても友人から「明日遊びに行くんだけど、天気どうかな」などと質問されることがある。
「いい加減なことを言えないから、ちゃんと解析しなきゃいけない。僕のお休みはどうなるんですか」と笑う。
いつでも手を抜けない真面目な性格はテレビの中も、普段の生活でも変わらない。
私の愛用品
■ネクタイ
空模様や自然など、天気に関係するような柄のネクタイを集めている。
自分で買うほか、家族が旅先などで見つけて送ってくれるとか。
その日のネタに合わせて着用する。
※掲載内容はFuture 2023[進学・オシゴト版]
(2023.3.3時点のものです。)