富山にこんなお仕事
アニメーター(金和 柚良さん)
「SHIROBAKO」に導かれて
クリエイティブなものは人の心を動かす。時には触れた人の運命を変える。
音楽や文学、映画、演劇、そしてアニメもそうだ。
「SHIROBAKO」というアニメが2014 年に放送された。舞台はアニメ業界。
スタッフやクリエイターの苦悩や喜びを描いた青春群像劇だ。
『おジャ魔女どれみ』を観て以来、アニメファンになった金和柚良さんも夢中になった。
「世の中にはアニメを作る仕事もあるのか」とアニメーターという仕事を知った。
小学校6年生で「将来の道はこれだ」と思った。
「SHIROBAKO」を作ったのは、南砺市にある「ピーエーワークス」というアニメ制作会社だった。
この会社はアニメーターや演出家を育てる養成所を独自に設けていた。
養成所では、第一線で活躍するプロたちが教えてくれるという。
アニメーターを夢見続けていた金和さんにとって最適な高校卒業後の進路だった。
そして1年間の講習期間を経て、「ピーエーワークス」に入った。「めちゃくちゃうれしかったです」と笑う。
現在、原画と動画を作る作画を担当する。「ピーエーワークスは求められる水準が高いので、私はまだまだ。
覚えることもたくさんあって、もっと上達しないといけない」と気を引き締める。
時間があればアニメを観る。ストーリーだけを楽しんでいた子どもの頃と見方は変わった。
キャラクターがどう動き、どんな構図で描かれているか。参考になる部分はないかと考える。
街を歩いていても「あの複雑な建物をどう描こう」と観察する。毎日が勉強の日々だという。
直近の目標は、作画をチェックして世界観を統一する「作画監督」になること。
「つらいことを忘れて、元気がもらえるような作品を作りたい」と意気込む。
私の愛用品
■作画用具一式
消しゴムだけでも、普通の消しゴム、練り消し、電動消しゴムなどと使い分けて繊細な絵を描く。消しかすも手の脂がつかないよう、ブラシを使って片付ける。
※掲載内容はFuture 2023[進学・オシゴト版]
(2023.3.3時点のものです。)