富山にこんなお仕事
裁判所書記官(片倉 慎也さん)
裁判を支える手続きのプロ
テレビのニュースやドラマ、映画でたびたび登場する法廷シーン。
裁判官の真ん前の席に黒い法服を着て座っているのが裁判所書記官だ。
この職業に興味を持ったのは大学2年生の時。
授業で裁判を傍聴し、手続き面で裁判に欠かせない存在だと知った。
「人生を左右する重い判決もある。裁判を裏からしっかり支えたい」と志した。
書記官は裁判を支える手続きのプロ。
裁判に立ち会って法廷で何が行われたのかを調書という形で書面に残していく。
法廷でのやりとりは書記官が作成した調書によってのみ証明される。
「適正・迅速が大前提で、絶対に間違いがあってはなりません。
その分やりがいは大きく、国の司法の一端を担っていることに誇りを持っています」
現在、富山地裁民事部立会係に所属し、週2〜4日裁判に立ち会う。
裁判が円滑に進むように当事者と裁判官の間に立って書類の手配や手続きの説明、問い合わせへの対応などにも当たる。
心掛けているのは、「裁判になじみのない人も条文の意味が分かるよう、なるべく自分の言葉に置き換えて説明する」ことだ。
書記官になるための第一関門が裁判所職員採用試験。さらに事務官から書記官になるには、
裁判所職員総合研修所入所試験に合格しなければならない。
研修所で法律の理論や実務を1〜2年かけて学び、修了後に晴れて書記官に任命される。
法律を扱うため専門性の高いイメージがあるが、法学部以外の学部や高校を出て書記官になる人も多いという。
書記官になって3年、勉強の日々が続いている。
「裁判所は社会情勢の影響を受けますし、また変わらなければならない側面もあります。
法律もどんどん変わりますので、柔軟に対応できる書記官になりたいと思っています」
私の愛用品
■万年筆
書き味の良いものを愛用している。文房具はあまり買わない方だが、書記官になった自分へのご褒美として給料をためて奮発した。
※掲載内容はFuture 2022[進学・オシゴト版]
(2022.2.25時点のものです。)