富山にこんなお仕事
新聞記者(村田 美七海さん)
時間があっても書けない言葉
たまにヒリヒリするような日がある。例えば、昨夏の東京パラリンピック。
試合が終わって、ミックスゾーンで選手を取材すると、もう午後11時を過ぎている。
上司から「20分で原稿出して」と指示が来る。焦りながらもなんとか書き上げる。
「時間があったら書けないフレーズがありますよね。
追い込まれてからの限界突破って感じ。大変だけど醍醐味ですね」と言う。
スポーツを取材する。主な担当は野球。
高校野球や富山サンダーバーズの選手たちの活躍と一喜一憂に注目する。
「全国的な選手はメディアが殺到して、放っておいてもいろいろなことが伝わる。
でも、目立たなくてもスター選手を支える人たちがいる。その思いを届けられるのは自分だけ」とやりがいを語る。
大学は①映画がたくさん見られる東京にある②国立の文系‒という2点で選んだ。
学部は「将来は考えず、好きな歴史を勉強できるから」と決めた。
東京生活は楽しかったが、就職するなら地元だった。
「東京は気合いを入れないと、おしゃれなお店や美術館に行けない。
キラキラするために頑張るのは大変」という理由だ。でも、地域活性化にも関心があった。
北日本新聞社に就職したのは、言葉で地域の課題や魅力を発信することが地域貢献につながると思ったから。
報道以外にも、イベントや広告企画などの事業を行っていることにも魅力を感じている。
「最終的には記者じゃなくてもいい。若者とか、景色とか。
とにかく面白いモノやヒトを発掘して世の中に送り出したいです」
私の愛用品
■双眼鏡
スポーツの試合で使う。
大きな会場では試合を俯瞰できるが、肉眼では選手の表情は見えない。
「現場に行かないと書けない記事」を書くため、レンズの焦点を合わせる。
※掲載内容はFuture 2022[進学・オシゴト版]
(2022.2.25時点のものです。)